定例会が開かれました!
2006-05-15


ひさしぶりの定例会が浜の町病院であり、新しい参加者が5人もいらっしゃって、ご自分の経験談を話してくださいました。

電話やメールのやりとりから一歩踏み出してこの場に来てくださることは、本当に勇気のいることだと思います。たとえ病気の種類は違っても、みんなよく似た経験をしていますから、素直に共感できるものがあるんですよね。

福岡以外の遠方からいらした方も多く、自分の住んでいる地域になかなかこのような患者家族会がないという声もあり、細々とでもこの会を続けていく必要性を強く感じました。情報を得るきっかけはウェブサイトやその他のメディアだとしても、やはり電話やメールより、生身の人間同士のふれあいに勝るものはないと、つくづく思います。

今回印象に残ったのは、自分が医療従事者だというある患者さんのお話でした。この病気になっていい意味でも悪い意味でも人生が変わってしまったという言葉には重みがありました。

この方は2ヶ月間不明の高熱が続き、入院して様々な検査をしてもなかなか病態が特定できなかったそうです。ようやくわかった時には、かなり病状が進んでいて、本当に死を覚悟するような状態でした。

そこから続く辛い闘病生活とそこから生じる家族の問題や経済的な事情から来る心労などを切々と語られた後、それでもやっぱりこの体験から得るものはあったとおっしゃったのです。

自分が患者になってはじめて患者の立場に立った医療のあるべき姿がわかったからだそうです。病気にはならない方がいいには決まっていますが、その体験からこのような境地に至ったことには意味のあることだったと考えるようにしているとのことでした。

またE先生のお話は最近の新しい治療法についての情報でした。詳しくは会報に書くことにしますが、気になる話題がもうひとつありました。それは大学病院の研修医の不足という問題から始まり、今、産婦人科や小児科医を志望する医学生が激減しているが、血液内科医も同様の傾向にあるというショッキングな内容でした。

重篤な患者さんと向き合うことの多い血液内科は、24時間目を離すことができない状態が続くので、実際浜の町病院の先生方は自主的にほとんど365日出勤してくるような状況だそうです。

昨今そういう激務の科は敬遠される傾向にあるらしく、使命感や志があるというだけでは人員が先細りになってしまうので、抜本的なシステムの構築が必要なのだそうですが、それがなかなか難しいそうです。

私たち患者の側からすると、血液疾患は長くかかる病気なので、この先専門の医師が減っていくのかと思うと本当に心配になってきますよね。浜の町病院の先生方には頭が下がりますが、何とか心ある先生が過度な負担なく働ける環境が整うよう願っています。

反対に先生からは「病気の告知についてどう感じたか?またどうしたほうがよいと思うか?」を聞かせて欲しいという投げかけがありました。これは様々な感想や意見が出ましたが、総じて告知は必要だがケースバイケースで、その方法に配慮をという声が多かったようです。

みんな告知の瞬間のことを思い出すと辛いことがフラッシュバックするようです。私もあの日のことは一生忘れないでしょう。息子があの辛い治療を乗り切るには告知は絶対必要なことだったと思っています。思っているけど、みんな気持ちがついていかないだけなんだよね、その時すぐには。

告知は難しい問題です。ただ告知する側の人には慣れっこにはなってもらいたくないと思うのです。何十回、何百回告知しても、告知される側は初めての経験なんですから。E先生もそのことをいつも忘れないためにこの質問をしたんだとおっしゃっていました。
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